FAA Part 107とは?米国ドローン規制の概要と日本との違い
米国連邦航空局(FAA)が策定した「Part 107」は、商業用ドローン運用の基本ルールを定めた規制です。 日本のドローン規制との比較や、米国でドローンを飛行させる際の注意点をまとめます。
注意:本記事は2026年3月時点の情報です。FAAの規制は更新されることがあります。 実際の飛行計画にあたっては必ずFAA公式サイト(faa.gov)で最新情報をご確認ください。
1. FAA Part 107の概要
FAA Part 107は2016年に施行された、米国での商業用sUAS(小型無人航空機システム)運用に関する規制です。 趣味・ホビー利用はRecreational Rules(娯楽規則)が適用される別途のルールがあります。
施行年
2016年
対象重量
55ポンド(25kg)以下
適用範囲
商業利用全般
管轄機関
FAA(連邦航空局)
米国では日本と同様、ドローンが急速に普及し規制整備が追いかける形で進化してきました。 Part 107は大きな転換点となり、商業パイロットが明確なルールのもとでサービスを提供できるようになりました。
2. 主な飛行ルール
最高高度400フィート(約120m)
地上または最も近い構造物上空から400フィート以内。ただし構造物から400フィート以内であれば構造物の高さ+400フィートまで可。
目視内飛行(VLOS)
操縦者が常に機体を視認できる範囲での飛行が原則。目視外飛行にはWaiver(特別承認)が必要。
日中(昼間)のみ飛行可
夜間飛行には特別承認(Waiver)が必要。ただし機体に明確に識別できる航行灯を付けることで夜間飛行も可能(2021年改正以降)。
最高速度100mph(約160km/h)
地面に対する速度で100mph以下が上限。
有人航空機に進路を譲る
有人機・ヘリコプターへの優先権の遵守が義務。
人・車両・建物の上空の制限
運動している人・車両・建物の真上での飛行は原則禁止(一部例外あり)。
3. ライセンス取得方法
商業用ドローン運用にはFAAが発行する「Remote Pilot Certificate」(遠隔操縦パイロット証明)が必要です。
受験資格の確認
16歳以上・英語読み書き能力あり・米国内での法的就労資格(または外国人登録)が必要。
Airmen Knowledge Test(筆記試験)
FAA承認の試験センターで60問の筆記試験を受験。航空法規・気象・空域などが出題範囲。合格点は70%以上(420点/600点)。費用は約175ドル。
FAAへの申請(IACRA)
試験合格後にFAAのIACRAシステムでRemote Pilot Certificateを申請。
機体登録(FAA DroneZone)
商業用途の場合、FAA DroneZoneで機体登録が必要(重量0.55ポンド以上)。登録料は5ドル/3年間。
4. 日本の航空法との主な違い
| 項目 | 日本(航空法) | 米国(FAA Part 107) |
|---|---|---|
| 高度制限 | 原則150m以下 | 400フィート(約120m)以下 |
| 最大重量 | 100g以上が規制対象 | 55ポンド(約25kg)以下 |
| 資格制度 | 国家資格(一等・二等) | Remote Pilot Certificate |
| 機体登録 | 義務(100g以上) | 義務(0.55ポンド以上) |
| 夜間飛行 | 許可・承認が必要 | 航行灯装備で可能(改正後) |
| DID相当の飛行 | 特定飛行として許可必要 | 高密度空域はWaiver、または空域承認が必要 |
米国では州・地方自治体による独自規制(追加制限)がある場合があります。 B4UFLY・AirMap等のアプリを活用して、飛行予定地の空域確認を事前に行ってください。